中国の桃源郷・シャングリラという地名の場所は、本当に理想郷か?ちょっと確かめに行ってきた。
おとしゃんです。
中国には、香格里拉(シャングリラ)市という地名の場所がある。意味は桃源郷。その名の通り、理想郷をあらわしている。
そんな大それた名前をつけた場所が本当にそうなのか?客寄せするためだけの名前ではないのか?
と疑った。
例えて言うなら、私が福山雅治と名乗るようなものだ。
えっ?となるだろう。
この答えは明らかなので、見に来ないでほしい。
話を本題に戻そう。
とりあえず、行ってきた。
時は、2017年12月初旬。マイナスの世界だ。なぜそんなに寒いのか?ロシアに近いのか?いや、違う。
高度は約4,000m。富士山よりも高いのだ。
まずは、関空から北京経由で成都へ。成都から香格里拉(シャングリラ)へと続く空の旅。
北京では、最初からやられた。関空のチェックインの際、荷物は北京で一旦下ろす必要があるのか、ないのか。
「必要ございません。成都でお受け取りください」
「北京でおろさなくて、大丈夫なんですね?」
「はい。大丈夫です」
大丈夫じゃなかった。北京で、念のために確認すると大丈夫じゃなかった。便によって違うらしく、その便は自分で荷物をピックアップしなければならない。慌ててターンテーブルへと向かった。
成都に着いたら着いたで、国内便の乗換で一苦労。セキュリティが厳しく、荷物検査がなかなか前へ進まない、長蛇の列である。国際線より時間がかかる。基本的に人を信用していない、性悪説でチェックする。
しかし、出発まで残り30分。そこで、軍人専用レーンを使わせてもらった。日本ならひんしゅくを買うが、中国はある意味、融通が利く。時間を守らない人が悪いのではなく、遅れてきたのならしょうがない、「はい、どうぞ」となる。
1日1便しかない、何とか間に合った。
香格里拉空港へ着いたのは、19時ころ。朝、家を出てから13時間以上。移動だけでも疲れる。
迎えの車に乗り込み、宿へと向かった。
辺りは真っ暗。誰もいない。
こんばんは
マイナスの世界。宿にエアコンはついていない。床暖房と電気毛布だけで部屋の中は寒い。電気毛布も低温火傷になるので、寝るときに消さないといけない。
紙に包まれて食器が出てきた。未使用だぞのアピールだろう。トイレ用のブラシで洗ったんじゃないだろうな。今、日本で話題になっているんだぞ!
シャングリラビール。地ビールだ。アルコール度数が3%以下とかなり低い。ジャバジャバ飲めるぞ。
いろいろと銘柄がある。
黒ビールも試してみた。チョコビールらしい。バレンタイ、あっ、もうバレンタインネタはいいだろう。5つも記事あるし。味は、黒ビールの水割りっといった感じだ。
夕食はこんな感じ。
この肉はヤク。まおにゅうと呼ばれていた。シャングリラでよく食されており、贅沢な一品でもある。それを放牧して生計を立てている家も多い。10年以上育てたものは一頭あたり100万円以上するらしい。それを何頭保有しているかで、金持ちかどうか判断されるという。夏は4,000m以上のところに放牧され野草やハーブを食べているから、ヤクの栄養分も高い。歯ごたえのある、しっかりとした肉である。これが、結構うまい。
チベット寺院
チベット風の衣装を着た人たち。寺院前の屋台でちょっとした食べ物を売っている。衣装を身にまとっているだけで、チベット民族ではないらしい。紛らわしいぞ…。これじゃ、泳ぐ気もないのに水着を着て接客し、高いものを買わそうとしているのと同じじゃないか。しけっ
柔らかいウインナーを揚げたもの。ちょっとスパイシーなソースをからめて食べる。
1本30円。あれ、安いね。
一つの街のようになっていて、お坊さんが暮らしている。宗教都市のよう。意外とお坊さんもフレンドリーだった。
カラスが舞っていた。死体は焼かないらしい。カラスが食べて自然に帰すという考え方だ。チベット仏教にも色んな宗派があるらしく、生まれた家によって方法が違う。母方の習わしにあわせるのだそうだ。死体をそのまま川に流す方法もあるので、その宗派の人は絶対に魚は食べない。
気圧の影響か、今にも割れそうだ。
アメリカンなところも
湿地帯。夏は水が溜まって湖のようになる。
空が近いので、歪んでいるように見える。
夜の寺院はライトアップされている。
旧市街の街並み
いかがだっただろうか。
ひとつ言えるのは、人が温かかった。ドライバーは乗り降りの際に、毎回手を添えて、頭上に気をつけてと声をかけてくれるし、自分から写真を撮ろうとしてくれる。宿では、りんごがおいしいと言うと、もっと食べろとどんどんくれる。帰り際にはお土産用のりんごまでもらった。お坊さんもフレンドリーだし、街全体におもてなしが根付いていた。これは普通のように思えるかもしれないが、中国では異例だ。
桃源郷というと、死ぬまでに一度は行きたい世界の絶景を想像する。
しかし、このようなおもてなし精神が根付いている地域というのは、中国でも稀有の存在である。そう考えると、中国人にとっての理想郷とは、このような地域のことを指すのかもしれない。
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